国民を救った英雄の悲惨な末路?!
こんにちは、イラストボードアニメーターの岩本あおいです
皆さんは暗号を作ったり、解読をしたことがありますか?
私は小学生の頃にドラえもんの「大予言・地球の滅びる日」を読んで暗号にハマりました。
ドラえもんが置きっぱなしにしていた本を発見し、それを読んだのび太は
しずかちゃんやスネ夫、ジャイアンに触れ回ってしまうんですね。
本を読んだ彼らは
「ドラえもんが持っているということは予言書かも知れない・・・」
と考え始めます。
「暗き天にマ女怒り狂う この日○終わり 悲しきかな」
最後の文章を読んだのび太たちはこの○を地球だと信じ、
魔女によって地球が滅びるんだと大騒ぎしました。
実際は予言書などの大それたものでは無くただドラえもんが趣味で
書いていた日記で、最後の文章は「暗い点=0点」「マ女=ママ」「○=どら焼き」
を指しており、
「のび太が0点を取ったことでママが激怒した。今日はどら焼きを食べられず悲しい」
と書いた文章だった、というオチでした。
物語そのものも面白いのですが、私は
「この暗号日記私も書きた〜〜い!」
と思い早速ノートをいそいそと用意し、日記をつけたものです。笑
何が書いてあるか分からないだけでここまで影響を与えるのだから
暗号ってすごいですよね。
大学時代に暗号に触れる機会がまたありまして、話が面白い教授が
お勧めしてくれた小説を読みました。
サイモン・シンさん著の「暗号解読」という本です。
内容についてはクイズの本というわけではなく、人々がいつ頃から
暗号を使い始めたのか、どのように暗号を作っていったのか、
と人々と暗号の歴史がこと細やかに書かれた本です。
実は古代エジプト時代から人々は暗号を使っていたそうで、
一番簡単な暗号は1文字ずらして作るタイプです。
例えば「A→B」、「B→C」とずらしていくような感じですね。
このルールに則って「I am AOI」を作ると、
「J bn BPJ」となるわけです。
友達との手紙交換で暗号を使うのであればこんな簡単な暗号でも
全く問題はありませんが、実際暗号を使うことが多かったのは
やはり戦争です。
敵国に情報を知られないように伝達事項を送ろうと思うと、
万が一相手に手紙を盗まれた時でも内容が分からないように
する必要性があったわけです。
2文字ずらすのか、あるいは「A→G」「B→P」と適当なルールを
共通ルールとし、その共通ルールの表を見ながら解読するような
暗号もあったそうです。
手紙であれば別々にルール表を送っておくことで
そのような暗号も使えましたが、第二次世界大戦では
そのような手紙を何度も送っていてはいつまでも攻撃の指示が
出せません。
その上当時は通信戦が勝利の鍵を握っていたので
言葉で暗号を伝えなければなりませんでした。
当然敵国も通信を使えるので相手が発信した音声を
拾い、なんと指示を出したのか、を暗号として聞くことが
出来たんですね。
おそらく「エニグマ」という言葉を聞いたことがある人は
多くいらっしゃるかもしれません。
ナチスドイツが発明した、世界最難関とも言わせた
暗号機です。
この暗号機の恐ろしいところは
①1つの文字を7回も別の文字に変える
②同じ文字を再度打つと先ほどの変換とは違う文字に変換してしまう
ということです。
①については、例えば先ほど私が作った
「I am AOI」を「J bn BPJ」に変えたルールを見てみると、
「I」を「J」に変換していますよね。
これを、7回変換しているのがエニグマです。
「I」を「J」に、「J」を「L」に、「L」を「S」に・・・
と、7回も変換した上で「I」=「D」と出力されます。
さらにこのルール、なんと日替わりです。
エニグマの変換装置は1日おきに変わってしまうので
昨日と今日では暗号のルールがガラッと変わってしまうのです
なので、せっかく
「最初の文字のJはIに変換されている!」
と分かったとしても日付が変わった瞬間にこの解読は
クソの役にも立ちません。
②については、「I am AOI」を「J bn BPJ」に変えたルールで
もう一度見てみると、「I」が2回使われている文章ですが
双方のIはどちらも「J」に変わっていますよね。
なので「I」=「J」というルールが可視化出来るのですが、
エニグマの場合同じ文字を2回以上使った場合先ほどとは別の文字に
変換してしまうのでこのような解読は出来ません。
せっかくエニグマで作られた文章を通信で拾えても、
なんと言っているのか分からなければ全く意味がありません。
諸国の天才たちはこのエニグマに
10年以上苦しめられたそうです。
ナチスドイツはエニグマのおかげで
大いに戦況を有利にすることが出来ました。
ではこんな化け物を誰が突破したんでしょう?
私です!と言いたいところですが、この快挙を成し遂げたのは
コンピュータの父とも呼ばれるアラン・チューリングです。
イケメンですよね〜〜
私もこのぱっちり二重欲しいです。
彼はコンピュータを発明し、見事エニグマを解読しました。
おかげでドイツの作戦がスケスケになったことで
イギリス軍はドイツ軍を敗ることができました。
このおかげで戦争終結が2年早まったと言われ、1400万人の命を
救ったと言っても過言ではなかったそうです。
しかし、アラン・チューリングはこんな快挙を成し遂げたのに、
国から評価されることはありませんでした。
エニグマを解読したことは国家秘密だったからです。
戦争は終わっても今後またいつ戦争を仕掛けられるか
分からない状況だったので、イギリスは
エニグマを解読したことをトップシークレットに
していました。
さらにアラン・チューリングには戦後も常に
政府の監視がつけられていたのですが、
こんな中でも彼は人工知能についての論文を
書いていました。
1900年代にすでにAIを考えていたなんて凄すぎますよね
当時はこの論文は評価されなかったんですが、
2020年代に入ってからAIを作るにあたって
彼の論文は無くてはならないものに
なっているみたいですよ。
ピカソもそうでしたが、行きすぎた天才は
亡くなってから評価されますよね・・・
アラン・チューリングは国家秘密の他に、
さらに誰にも言えない秘密がありました。
ゲイだったのです。
今はだいぶ差別も減ってきましたが、この当時の
イギリスは同性愛者への差別がすごく、重罪として
扱われていました。
全然関係ないですけどゲイの男性ってイケメン多いですよね。
ある出来事で同性愛者であることがバレた
アラン・チューリングは逮捕されましたが、
刑務所に入るか、
科学的去勢を目的とした女性ホルモンを打つか
の2択を迫られます。
アランは投獄された場合研究が出来なくなってしまうことから
女性ホルモンを選びましたが、
自分が得体の知れない体に変わっていく不安と
自分が救った国民達から犯罪者だと非難の目を
向けられる絶望で
最後は青酸カリを含ませたリンゴをかじり
自死を選んでしまいます。
あまりに悲惨な末路を迎えたアラン・チューリング、
今の時代に生まれていたらと常々思ってしまいます。
ここまでのエニグマとアラン・チューリングの物語は
「イミテーション・ゲーム」という映画になっているので
もし興味を持った方はぜひ見てみてください
※完全なノンフィクションではないです
そんな天才アラン・チューリングでも
書くことはできなかったであろう
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