何不自由ない楽園で人は幸せになるのか?
こんにちは、イラストボードアニメーターの岩本あおいです
夏休みが近づく度に子供の立場での思い出と
大人の立場での思考に板挟みされています
子供の時は夏休み、とっても楽しみで仕方なかったんですが
私は一人で過ごしている時は基本的に
面倒で昼食を食べないので、
子供がいたら毎日昼食準備しないと
いけないのか・・・・・・
とめちゃくちゃ嫌になります。
子供いないんですけどね
子供の夏休みを嫌がるお母さんの気持ち
とってもわかるなぁ・・・と思いました。笑
子供にとっての楽園は夏休みですが、
全ての人類にとっての楽園がもし存在したら
人間は皆幸せになるのでしょうか?
1968年から1972年にかけて、
アメリカの動物行動科学者
ジョン・B・カルフーンが
楽園の実験をしたのです。
実験の名前は「ユニバース25」と
命名されており、25回その実験を
しています。
24回までは楽園の面積が狭かったために
うまく検証出来なかったのですが、
25回目にして広大な余りある楽園を
準備出来たことでその実験の成果を出すことが
出来ました。
実験の概要としては
「都市計画のシミュレーションとして
繁殖に必要な十分なスペースと
無限の食料を与えられたらネズミは
どのように社会を形成するのか?」
というものです。
この実験、以前記事を書いた
「死への羽ばたき」よりもメジャーな
実験なのでおそらく知っている方も
いらっしゃるかなと思いますが
果たしてネズミたちはどうなると
思いますか?
この実験が有名になった理由の一つが、
その結果があまりに驚きの結果を
見せたからなのです。
2.7m×2.7mのスペースに256個の巣箱が用意され、
水も食料も切れ目なく与えられる。
ネズミにとって必要なものが全て用意された
この楽園に、4組8匹のネズミたちが
放たれました。
この真ん中に立っている人が
ジョン・B・カルフーン博士です。
後ろの壁にポツポツ空いている小さい穴が
巣箱へと繋がる入り口です。
巣穴はそれぞれ最大15匹が生活できるので、
楽園全体では3840匹のネズミが生活出来ます。
カルフーンは最大個数までネズミが増えたら
どうなるのか?を観察し始めたんですね
【フェーズA・繁栄】
8匹のネズミは新しい環境に慣れると
縄張りを作り始め、巣作り・出産を開始しました。
【フェーズB・停滞】
個体数は順調に増え620匹にまで増えました。
しかし社会に階層が生まれ、
タワマン住みとホームレスに格差が出るように
なったのです
巣穴全体で3840匹も住めるはずなのに、
何故か巣穴に住む上流階級のネズミと
巣穴が余っているのにもかかわらず
楽園の床に住むホームレスネズミに
分かれてしまったんですね。
【フェーズC・減少期】
さらに不思議なことに、タワマンネズミ達は
巣穴がたくさんあるのにもかかわらず
同じ巣穴にギュウギュウ詰めになって
暮らすようになりました。
巣穴には15匹入れるように作られて
いましたが、ある巣穴では111匹も詰まって
住んでいたようです
さらに不思議なことに、餌場や水場も沢山あったのですが
上流ネズミたちは特定の餌場ばかりに行きたがり
餌を奪い合うようになりました。
改めて同じ写真を載せますが、赤い丸印をつけた
場所は全て餌場です。無限に餌場はあるんです。
巣穴も餌場も何故か同じ特定の場所で奪い合うのです。
ちなみにこの上流ネズミ達は全体の1/3で、
巣穴に入れず(何度も書きますが巣穴は沢山余っています)
床で生活するホームレスネズミが2/3です。
上流ネズミ達は集団で行動をし、ホームレスネズミは
他のネズミ達とコミュニケーションを取ることをせず
メスにも相手にされず無気力に過ごしていたそうです
上流オスネズミ達は次第に攻撃的になり、
特定の餌場を独占。餌を食べに来るメスやホームレスに
襲いかかるようになりました。
さらにこの攻撃的なオスネズミ、見境なくオスでもメスでも
子供でもレ○プしたみたいです
巣穴に住めるエリートネズミたち、繁殖行動が異常に
なってきています。
ホームレスネズミはエリートに攻撃されてしまうので
エリートが寝静まった時間に餌場にやってくるように
なり、行動時間にも変化が現れます。
不思議なことにこのホームレスネズミ、エリートに
攻撃されても反撃することはおろか、
逃げることすらしませんでした
ただじっと、エリートが去っていくのを耐える
だけなんだとか。
エリートの巣箱にいるメスネズミは良かったのですが、
エリートオスネズミに攻撃されて
交尾をし子供を産んだホームレスメスネズミは、
当然オスが守ってくれるはずもないので
自分たちも攻撃的になってしまい、子供を守るどころか
子供を早期に巣から追い出してしまうのです。
育児放棄をしてしまうんですね。
巣から追い出された子供ネズミは
エリートネズミから身を守るため、ホームレスに
なるしかない・・・
実験開始から560日目、出生率と死亡率が
ほぼ同じになり個体数は2200匹。
これが最高値でした。
600日目からはついに死亡率が上回るように。
【フェーズD・絶滅】
育児放棄されたネズミ達が親になった世界、
社会性を学ばずに育ったネズミ達は巣穴を作ることも
交尾も子育てもせず、ただ食べて寝て、
ずーーーーーっと毛繕いをするだけの生活をしていました。
争うこともせずひたすらに毛繕いをするだけのネズミを
カルフーンは「美しいネズミ」と呼称しています。
オスがメスに求愛し、メスが巣箱にオスを招く。
この求愛ルールを知らないために、オスはメスの後を
ついてまわるストーカーになり、未成熟のメスやオス同士で
交尾をするようになります。
子供の死亡率はどんどん上がり、その率なんと90%。
ついに全てのネズミがホームレスネズミになります。
暴力も争いも交尾もない世界で、毛繕いをし続けるネズミたち。
実験開始から4年目には122匹にまで減りました。
今いるネズミ達はコミュニケーションを取らず、交尾もしないので
この先ネズミが増えることはあり得ません。
カルフーンは人道的な理由でこの122匹の美しいネズミを
正常なネズミたちのコロニーに移してあげたのだそうですが、
美しいネズミ達はそこでも社会性を学ぶことなく
絶滅していったそうです
ちなみに今の人間社会はこのフェーズCに当たると言われています。
衣食住が満たされてしまうと生き物は生きる気力を失ってしまうのかも
しれないですね。
私も一時期仕事に対して気力を無くなってしまったことが
ありましたが、好きな「絵」を生かした仕事を
始めることによって気力を取り戻しました
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